――おがっこ先生プロジェクト、夢の島熱帯植物館から始動

7月4日(土)、夢の島熱帯植物館(東京都江東区)と小笠原諸島・父島をオンラインでつなぎ、島の小学生たちによるプレゼンテーションを行いました。島の子どもたちが小笠原のことを伝える「おがっこ先生」プロジェクトの、はじめての公演です。
■ パンフレットには載っていない、小笠原のこと
小笠原というと、青い海やめずらしい動植物を思い浮かべる方が多いかもしれません。
でも、島の毎日はそれだけではありません。通学路にはパッションフルーツや島バナナが実り、春にはカンヒザクラが咲きます。アオウミガメの保護や光害のことを学ぶのも、子どもたちにとっては身近なこと。南洋踊りやレイ、見送り船など、あたたかい文化の中で育っています。
こうした「島の暮らし」を、いちばん自然な言葉で伝えられるのは、島で育つ子どもたち自身なのかもしれない。おがっこ先生は、そんな思いから生まれました。
■ 伝えることで、自分の島をもっと知る
「内地の人には、何を伝えたらいいんだろう」「どうしたら島の毎日が伝わるかな」。誰かに伝えようとすると、いつもの景色が少しちがって見えてきます。
子どもたちは半年ほどかけて、伝えたいことを話し合い、自分でカメラを持って島を撮影しました。足りない写真は大人にも手伝ってもらいながら集め、原稿も自分たちの言葉で書いて、家族の前で何度も練習しました。
おがっこ先生は、島のことを発信する場であると同時に、子どもたちが自分のふるさとを見つめ直す、学びの時間にもなっています。

■ 高校生と一緒に
この半年間、そばで支えてくれたのが島の高校生や、内地から来てくれたインターンの大学生です。高校生たちは小学生の隣に座り、イヤホンをつけながら原稿やスライドの操作をやさしくフォロー。大学生のみなさんも、島を離れてからはオンラインで準備を手伝ってくれました。
大人が教えるよりも、少し年上のお兄さん・お姉さんの言葉のほうが、すっと届くこともあります。そして高校生にとっても、誰かのがんばりを支えた経験は、いつか島を離れる前の大切な思い出になるはずです。年の離れた子どもたちがつながっていくことも、このプロジェクトで大切にしていることのひとつです。

■ 1,000kmを越えて届いたもの
当日、父島の中継会場では、画面に映る植物館の様子をじっと見つめながら、出番を待つ子どもたちの姿がありました。高校生のLEOくんの楽しい司会で、小笠原小学校の奈々さん、咲織さん、琴春さんが堂々と発表。最後にカメラに向かって笑顔で手を振ると、東京の会場から大きな拍手が届きました。
来場者は午前・午後あわせて120名(午前45名/午後75名)。アンケート(回答23件)では「とても満足」73.9%、「満足」26.1%と、うれしいことに回答者全員から「満足」の声をいただきました。
「本ではわからない、子ども目線の暮らしを知れた」「原稿を考えて練習を重ねたと思うと、本当に立派」「1,000kmの遠さを感じながらも、同じ景色を見ているようで45分があっという間だった」。修学旅行で小笠原に来る予定の小学生からは「ますます楽しみになった」という声も。島の子どもが語ることの力を、あらためて感じた一日でした。


■ 一度きりで終わらせないために
子どもたちの発信は、どうしてもイベント一回で終わってしまいがちです。そこでおがっこ先生では、島の木材をアップサイクルする循環のブランド「BONINIANS」が活動を支え、都内のBONINIANS製品の取扱施設が講演の場になる、という仕組みをつくっています。
発信が応援につながり、応援が次の発信の場を生んでいく。そんな循環の中で、毎年あたらしい子どもたちが「先生」として立てるようにしていきたいと考えています。

■ 12月、夢の島熱帯植物館で上映します
この夏に島で撮影したショートフィルム「おがっこ先生」が完成しました。島の子どもたちと、東京から来たインフルエンサーとの交流を描いた作品です。12月1日(火)から20日(日)まで、夢の島熱帯植物館で開かれる「小笠原のいま」展(BONINIANS × 夢の島熱帯植物館)で上映します。
会場では、この夏に撮影した小笠原の自然や、島で奮闘する人たちの写真も展示されます。期間中には、小笠原の現地とつないだ交流イベントも予定しています。その後も、各所で順次公開していきます。
■ これからの、おがっこ先生
これからは、都内の施設で講演をする「講演プレゼンター」と、島の毎日を島っこ目線でSNSから届ける「SNSクリエイター」の2つのかたちで、おがっこ先生を育てていきます。夢の島熱帯植物館での公演をきっかけに、ほかの施設での講演も少しずつ広げていく予定です。
遠く離れた島の子どもが、東京の誰かの「先生」になる。そんな小さな授業が、小笠原と東京をつなぐきっかけになればうれしいです。ご参加・ご協力いただいたみなさま、本当にありがとうございました。
おがっこ先生の下期の募集は、近日、小笠原グリーンの公式LINEでお知らせします。島のご家庭のみなさま、ぜひ公式LINEにご登録ください。