<活動内容>
≪炭焼き活動 2017年8月~≫
・活動コンセプト
小笠原諸島では、環境保全の一環として、外来植物の駆除や公園地(国立、都立)への在来固有種の植栽活動など、様々な活動が行われています。 しかし、これらの活動によって生じる木材の処理は、まだ資源としての活用が不十分な状況です。駆除や間伐によって出た木材は、現場で堆肥化されたり 残置物として処理されているのです。
しかしながら、小笠原諸島で駆除されている外来植物は、もともと有用な資源として人為的に導入されたものであり、正しい活用方法を見つければ、 地産地消のために貴重な資源となり得ます。例えば、ギンネム(銀合歓、Leucaena leucocephala)は、1860年代に小笠原諸島に導入されたと言われ、 当初は畑の緑肥や薪炭、家畜の餌、荒れ地の緑化、土壌流出防止などに利用されていました。現在は帰化した種として指定されていますが、近年では、 その高い生産性からバイオマス燃料の木質材料として利用されるなど、インドネシアなどの地域でバイオマス研究が進められています。 また、アカギ(赤木、Bischofia javanica)は、乾燥時に変形することが多いものの、加工性の高い木材であり、滑らかな仕上がりを実現するため、 沖縄の木工家たちは好んで家具や細工品を作ることが多いと言われています。つまり、小笠原諸島で駆除される植物の一部は、有用な資源として 新たな命を得る可能性があるのです。
このため、私たち小笠原グリーンでは、駆除された外来樹木を炭に変換し、リサイクル活用を進めることを目指しています。ギンネム以外にも、アカギや モクマオウなど、強力な燃焼力を持つ木材があります。これらの材料を使って炭を作り、例えば災害時の非常用品として活用したり、園芸や公共事業での マルチングや土壌改良、水質改善に利用することができます。また、一般生活では、消臭や除湿などに活用することで、小笠原諸島内で資源の循環を 実現したいと考えています。
このような活動によって、小笠原諸島独自のブランドを生み出し、環境を資源とした循環型社会の一翼を築くことができると考えています。