小笠原諸島での実践的な学びと挑戦の記録

2025年度夏季インターンシップは、世界自然遺産・小笠原諸島を舞台に、学生が環境保全や地域活性化に挑戦した実践型プログラムです。
森林保全や樹木調査、子ども向け環境教育、地域イベントの企画・運営に加え、企業講演を通じて第一線で活躍する専門家から学ぶ機会も得ました。
これらの活動を通じて「自然との共生」や「持続可能な社会づくり」についての理解を深め、実践的な学びを積み重ねました。

インターンシップ概要

実施期間:2025年8月15日~9月17日
参加人数:2名
     - 叡啓大学 ソーシャルシステムデザイン学部:1名
     - 都留文科大学 教養学部:1名
目的:
本インターンシップは、世界自然遺産・小笠原諸島を舞台に、環境保全や地域産業の活性化、教育支援などに参画し、地域社会と協働する経験を通じて理解と実践力を深めることを目的としています。企業講演や交流を通じて関係人口を広げ、また『小笠原グリーン』の一員として責任ある行動を重ねることで、地域や企業から信頼を得ることを目指しました。

活動内容

  • 環境保全活動
    森林保全活動や樹木調査への同行を通じて、島の生態系や外来種問題への理解を深めました。現地では、専門家や地域団体と協働しながら、持続的な保全活動の在り方を学びました。
  • 地域産業支援・イベント参加
    TeamWoodRecycleなど地域と連携し、木材の再活用や森づくりに関するイベント運営をサポートしました。地域事業者や来訪者との交流を通じて、地域産業と環境保全を両立させる取り組みを体験しました。
  • 教育・交流活動
    TeamWoodRecycleの森づくり活動において、子ども向けプログラムの運営補助を行い、自然体験を核とした環境教育の実践に参加しました。当社スタッフのもと、インターン生が学んだ内容を整理し、企業のCSR活動と環境教育を結びつけるプログラム・講演の企画に反映しました。
  • 企業講演
    当社スタッフが講演骨子をファシリテートし、インターン生チームが構成をプロデュースする形で、企業向けに「小笠原の魅力」と「環境教育と企業活動のつながり」について発表を行いました。環境法・教育を学ぶインターン生による専門的な視点と、もう一人のインターン生によるメッセージ整理・構成が組み合わさることで、地域と企業が協働する意義を分かりやすく伝える講演となりました。

活動実績:企業講演

概要
本講演は、CSR・ESGの文脈での企業による地域協力を促進する取り組みの一環として実施されました。当社スタッフのファシリテーションのもと、インターン生2名が講演骨子の検討から構成づくり、当日の発表まで主体的に担い、学生ならではの視点で企業に向けたメッセージを発信しました。

講演内容
インターン生は、小笠原でのフィールドワークを通じて得た体験や学びをもとに、島の自然や文化的魅力を学生目線で紹介しました。来訪前後での環境意識の変化を共有しながら、外来種対策や保全活動の重要性を伝えることで、企業が地域に関わる意義を具体的にイメージできる内容としました。

講演の準備においては、当社スタッフが全体の骨子づくりをリードし、その骨子をもとにインターン生の一人がストーリーラインやスライド構成をプロデュースしました。もう一人のインターン生は、自身の専門分野である環境法・教育の観点から、外来種対策や環境教育の効果などを専門的に解説し、その内容が企業に伝わりやすくなるよう、両者が連携してメッセージの整理を行いました。

講演全体を通じて、「環境教育への関与が社会的リターンと経済的リターンの両立につながる」という視点を提示し、企業のCSR活動や教育支援と地域の環境保全がどのように結びつき得るかを提案しました。これにより、持続可能な協働のあり方について、企業と地域が共に考える機会を提供しました。

成果と学び

余村万里愛さん

2025年度小笠原グリーンの夏期インターンシップに参加した、余村万里愛です。私は広島から来ました。

小笠原に来ることは初めてで、仕事でも私生活でもとても学びになることが多くありました。

仕事で驚いたことは、今回のインターンで関わった、科学委員会の研究者や、小笠原グリーン社員の環境保全、動物保護への熱量です。お金のためではなく、彼らの信念から環境保全を行いたいという志を強く感じたことが印象に残っています。また、TWRの活動内容はどれも目新しいものばかりでとても興味を持ちながら取り組むことが出来ました。地域の方と行う低コストの森づくりや島外の関係人口を巻き込みながら行っていくという小笠原独自の新しい仕事の形、日本の世界自然遺産でおそらく初となるカーボンクレジットの創出など、自分の知識や視野の幅を広げることができました。

私生活では、小笠原の海や森、動物といった自然を楽しむことができました。おがさわら丸が1週間に1本しかないことから入港日は新鮮な食料が入ってくるため商店が混雑するのも小笠原ならではだと思います。

また、インターンを通して広島(大学)にいる時は、自分の将来に対しての考えが狭まっていたなと改めて振り返る機会になりました。インターン先で出会った小笠原グリーンの社員やDTFSAの方と関わることによって、自分の楽しいことを仕事にすることや新しいことに挑戦することの喜びや大切さを再認識できました。

インターンを通して得た経験は私の将来に大きな影響を与えてくれました。次、小笠原へ行く時はもっと成長した姿を皆さんに見せられることを楽しみにしています。

瀧朋花さん

私が今回のインターンで学んだ一番大きなことは、「相手が求めているものは何か」を考える重要性です。
小笠原グリーンの方々のプレゼンを多く拝見し、私たち自身も企業に対してプレゼンを行う機会がありました。その中で、自分の立場や相手のニーズを理解し、相手に合わせた表現や説明を工夫する必要があると強く感じました。プレゼンの内容が同じでも、相手が変われば伝えるべきメリットや話し方も変わります。シンプルなようでいて、実際にはとても難しく、何度も原稿を見直し修正を重ねました。この経験から、社会に出たときも相手の立場に立ち、協力者を増やすための伝え方を意識していきたいと思います。

また、インターン全体を通して「自分の自信を取り戻せたこと」も大きな収穫です。高校までは積極的に活動してきましたが、大学に入ってからは行動できず、自信を失っていました。しかし、小笠原で仲間やサポートしてくださる方々と共に一つのことを成し遂げる中で、「自分はまだ挑戦できる」という感覚を取り戻すことができました。この経験を糧に、次のステップに進んでいきたいと思います。

このような貴重な機会をいただき、本当にありがとうございました。

オープンバッジについて

このインターン活動に参加した学生にはオープンバッジが付与されます。
オープンバッジとは ⇒ 一般財団法人オープンバッジ・ネットワーク

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